2020-03-14

2020/02/24開催【食と、竹田と、地球と未来 〜食×SDGs〜[レクチャー&ワークショップ]】

開催レポート【食×SDGs】”竹田の未来を考えるイベント”開催しました

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2/24(月)に竹田分館にて、今話題の「SDGs」を「食」の視点から考える、レクチャー&ワークショップ「食と、竹田と、地球と未来〜食×SDGs〜【たけたのたべかた2020】」を開催しました。
「地方創生 竹田食育“地域の宝”プロジェクト」の事業報告会と、同時開催です。

開催概要は・・・ http://taketanotabekata.com/course/20200224sdgs/

「今後の竹田の食はどうあるべきか、世界に目を向けながら、この地域の魅力を生かしてできることをSDGsを通して考えよう」という企画趣旨のもと、トマトや大豆の生産者や、行政職員、飲食店関係者のほか、SDGsや環境問題について関心がある約30名が参加しました。

 
 
 

竹田産の特産品を使って作られた「かぼすサブレ」や、「トマトカステイラ」「かぼすテラ」「ナヴァショコラ」などの試食を楽しみながら、3時間半かけて地球の未来について学び、これから自分たちでできることについて語り合いました。

竹田の特産品をつかった商品試食会

竹田の特産品をつかった商品試食会

Osteria e Bar RecaD「トマトカステイラ」

Osteria e Bar RecaD「トマトカステイラ」

道の駅竹田 善米食堂「かぼすテラ」/レシピ開発:Tomo Clover

道の駅竹田 善米食堂「かぼすテラ」/レシピ開発:Tomo Clover

la vie en fleur「ナヴァショコラ」

la vie en fleur「ナヴァショコラ」

 
 
 

講師を担当したのは、2度目の来竹となる大岩根尚さん。
大学で地質学・海洋地質学を学び、環境学の博士を取得した後、国立極地研究所へ就職し、南極内陸部の調査に参加。
現在は硫⻩島で「合同会社むすひ」を立ち上げ、自然ガイドや大学の実習受け入れ、教育・研究のサポートを続けています。

 
 
 

変わりゆく世界に気づく。知る。

 

森林伐採が地球温暖化を招いていることは周知の事実ですが、その森林伐採にスナック菓子が関わっている!?という驚きの事実からレクチャーはスタート。

「ポテトチップスをはじめとするスナック菓子などの原材料には、「植物性油脂」と記載されたアブラヤシの実から取れるパームオイルが使われている。
世界で最も多く生産されているオイルであり、主要生産国のインドネシアやマレーシアは、パームオイルの原料となるアブラヤシを栽培するために、熱帯林の森林伐採をし、それにより温暖化が進行している。
スナック菓子が森林減少を、森林減少が温暖化を、温暖化が貧困を、貧困が児童労働を、児童労働が教育不足を、教育不足が人口増を、人口増が森林減少を生む。
世界は繋がっている。
食を通じて繋がっている世界に気づこう」

ついつい手を伸ばしてしまう嗜好品が温暖化や環境破壊を招いているという現状のレクチャーに、環境問題を身近に感じたところで、次は「激変する気候が及ぼす食への影響」をテーマに、世界の異常気象や食の変化について学びました。

昨今の豪雨や台風の災害は、海水温が高くなっていることが原因とされています。
日本だけでなく世界でも気候変動の影響は顕著に現れていて、例えばアラスカは永久凍土の融解や海水面の上昇によって住めなくなり、村ごとの移転が始まっていること、ヨーロッパでは異常な猛暑や寒波などの問題が起きているのだとか。

2100年には海水面が 70 cm – 1.2 m も上昇するという予測や、100年以内に寿司が消滅するかもしれないという話には、参加者から「日本の和食がなくなるのでは」「数年以内に食べられなくなる魚があるなんて」と衝撃を受ける人が続出。

さらに、気候変動が従来の予測より早く進行しているという事実を知った参加者たちの関心が、「どうすれば世界を変えていけるのか」と高まったところで、SDGsの話題へと移ります。

 
 
 

持続可能な世界を作るために。

 

SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。

自分たちが気づかぬうちに進む世界の環境変化。
食べることも次第に変わっていく中で、その変化を食い止めるための手段の一つになり得るのがSDGsの考えです。

地域としてどうSDGsに向き合っていくのか、大岩根さんが食に関する分野でできることとして、3つのヒントを出してくれました。

 
 
 

1.意識的な食生活

FAO(世界食料農業機関)の報告書では、気候変動や環境への配慮のために世界全体で肉食を減らしていくことが推奨されている。
家畜は、全世界の温室効果ガス排出量の、実に14.5%を占めているからだ。
その中でも41%と、最も多く温室効果ガスを排出しているのが牛肉だ。
特に海外の大規模農場では、肉牛の飼育のために飼料作物を生産、収穫、輸送する必要があるだけでなく大量の水を汲み上げるなど、莫大な量の化石燃料を消費する。
また輸送するためにも、大量の温室効果ガスを排出することになる。
消費者として私たちができることは、なるべく近い産地の牛肉を選んで食べること。
放牧などなるべく自然に近い環境で育てられた牛肉を選ぶこと。
可能であれば、牛肉より環境への負荷が少ない豚肉や鶏肉を選ぶこと、などが挙げられる。
肉食以外で考えると、MSC認証や有機JASなど、環境配慮のある漁師や農家から買うこと。
自分たちが苦しくない範囲で、できることをやっていく必要がある。

2.リサイクル

12年間連続国内リサイクル率No.1を誇り、自治体SDGsモデル事業に選定されている鹿児島県大崎町は、27品目のゴミの分別をしており、80 %以上のゴミをリサイクルし資源化している。
ゴミ出し困難者への訪問サポートによる安否確認、ゴミの分別回収が住⺠間の交流の場になるなど福祉面での効果や、資源ごみを売却して得たお金をリサイクル奨学金として子供達に返していく仕組みを作り、経済面での課題解決に取り組んでいる。
環境意識が高まってきた今、大崎町には海外からも視察が殺到している。
すぐにでも始められるゴミの分別。
生ゴミは堆肥化したり、ゴミを資源化しすることで、排出量を減らし、将来の竹田をより美しくすることができる。

3.地域内のお金の循環

地域の衰退は、地域経済の衰退と深く紐づいている。
地域内での経済循環を高める仕組みを作ることが、これからの地域経済に大きな意味を持つ。
地域内の経済循環の仕組みが、穴の空いたバケツに例えて説明される。
観光や物品販売などで地域外からどれだけお金を稼いでも、そのお金で地域外の商品を購入してしまったら、地域にお金は残らない。
穴の空いたバケツに水を注いでいるようなものだ。
漏れている穴を塞ぐことで水が溜まる。地域が潤う。
つまり地域経済を高めるには、自分が受け取ったお金をどこで使うかも大事だし、渡した相手がどこで使ってくれるかも考える必要がある。
地域の中で調達して地域の中にあるものを買うという「地産地消」という言葉があるが、外で調達しているものを地域の中で新しく生産することで地域が潤っていく「地消地産」という考えもある。
地域の中でお金を回しながら持続可能な地域を作っていこう。

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3つのヒントを聞いた参加者からは、

「高校の教師をしているので、高校生に今日の話を伝えたい。
学生が少しでも地域のためにと思って実践すれば、友達や家族の意識が変化し、そして周りの大人たちも変わって、良い連鎖が広がっていくかもしれない」

「生ゴミをコンポストで堆肥化して、菜園を作ったりするのも良いかも」

「竹田市として”SDGsに取り組む”という目標を掲げるべき」

「農産物の中には、どうしても規格外が出る。
規格外の農産物を地域のレストランに提供して、食べられるような地域内循環を進めたい」

など、全員から今後取り組んでみたいことについてのアイデアが飛び交いました。

6グループに分かれてワークショップを行いました。1班は、「高校生に伝える」「光熱水量の使用料が随時分かるように」。

6グループに分かれてワークショップを行いました。1班は、「高校生に伝える」「光熱水量の使用料が随時分かるように」。

2班は、「焼肉弁当から唐揚げ弁当に変え、いつまでも寿司を食べよう!」

2班は、「焼肉弁当から唐揚げ弁当に変え、いつまでも寿司を食べよう!」

3班は、「生ゴミコンポスト」「大豆の生産者さんを、みんなとAIでサポート」

3班は、「生ゴミコンポスト」「大豆の生産者さんを、みんなとAIでサポート」

4班は、「子どもの学び場のあり方」「手づくりのものを取り入れる」「地域の素材を活かす」「みんなで持ち寄り食べる」

4班は、「子どもの学び場のあり方」「手づくりのものを取り入れる」「地域の素材を活かす」「みんなで持ち寄り食べる」

5班は、「竹田市としてSDGsに興味を持って掲げていけるように」

5班は、「竹田市としてSDGsに興味を持って掲げていけるように」

6班は、「地域内循環」「経済も大切」「地域の人に伝える」

6班は、「地域内循環」「経済も大切」「地域の人に伝える」

 
 
 

最後に大岩根さんは、
「思いついても実行に移さないことは良くあるけれど、それは当事者が繋がっていないという問題があるから。
今日のような場には、生産者がいて、行政職員がいて、事業者がいて。
いろんな方が集まって繋がることができれば実行に移しやすい。
自分たちでできることをやってみようという機会になったなら嬉しい」
と話し、会を締めくくりました。

世界の現状を知り、「これから何ができるのか」についてじっくりと全員で話し合ったこの日。
参加者同士が竹田の未来について真剣に考え、地域を持続するために行動に移そうという決意を固めるきっかけとなりました。

昨年2019年秋に、大岩根尚さんを初めて竹田に招聘しイベントを開催したEDIT TAKETAさんに、企画段階からご協力いただきました。

昨年2019年秋に、大岩根尚さんを初めて竹田に招聘しイベントを開催したEDIT TAKETAさんに、企画段階からご協力いただきました。

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レポート執筆:藤原美樹(TAGARI)
写真:さんぷくデザイン企画

【講師ご紹介】
大岩根尚さん(合同会社むすひ 代表社員)

九州大学、東京大学で地質学・海洋地質学を専攻して博士(環境学)の学位を取得。
その後、国立極地研究所へ就職し、第53次南極地域観測隊として南極内陸部の調査に参加。
帰国後、2013年10月から三島村役場のジオパーク専門職員に。
2015年にジオパーク認定取得後、2017年3月に三島村役場を退職。
硫黄島に移住して「合同会社 むすひ」を立ち上げ、自然ガイドや大学の実習受け入れ、教育・研究のサポートを続けている。
カードゲーム 2030 SDGsファシリテーター。

【開催概要】
名称:たけたのたべかた2020 レクチャー&ワークショップ「食と、竹田と、地球と未来〜食×SDGs〜」
日時:2020年2月24日(月・振休)13:30〜17:00
会場:竹田分館(大分県竹田市大字竹田1918番地2)
参加無料
講師:大岩根尚(合同会社むすひ代表社員)
司会進行:友永英治(EDIT TAKETA)
企画協力:EDIT TAKETA

主催:竹田市
企画運営:たけたの食べ方編集室(たけた食研究会)

機材協力:TAKETA ART CULTURE [TAC]

【タイムスケジュール】
13:30〜 趣旨説明、チェックイン
13:50〜 前半:レクチャーと対話
・食をつうじてつながっている世界
・激変する地球の気候と食への影響
・SDGsとは
・SDGsと食のつながり
15:10〜 事業報告会、試食会、休憩等
15:45〜 後半:レクチャーと対話
・食をつうじた地域でのSDGsの実践
・食をつうじた環境負荷の低減
・お金とモノの循環を考える
・自分で取り組んでみたいこと
17:00 終了

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大分県竹田市役所 保険健康課 竹田市大字会々1650番地 TEL.0974-63-4810 FAX.0974-64-9150