2018-05-26

商品開発、動画、ホームページ・・・
熱い想いが”夢”実現への原動力

長谷川 敦子HASEGAWA Atsuko八世屋


竹田市吉田地区。竹田市が国内シェア8割を超えるサフラン農家の畑が点在し、すぐ先には、環境省選定「名水百選」竹田湧水群が広がる、竹田市内でもとりわけ水が美味しいエリアです。その入り口に、長谷川さんが女将として商う「八世屋」の畑と事務所があります。

もともと専業主婦だった長谷川敦子さん。会社員だった夫の暢大さんが農家に転職、宮崎県綾町でハウス栽培できゅうりを育てるなどしていました。たまたま機会を得たドイツでの有機農法研修で、一人の薬剤師に出会い、「何か栽培するのに良い作物はないか?」と尋ねました。「同じ九州で育つ作物に、サフランがある。花も綺麗で、料理にも使えて、薬にもなる。とても貴重な作物だ」と教えられました。
ドイツから宮崎に戻り、しばらく当時の居住地だった宮崎から竹田に通ってサフラン栽培を学び、宮崎での栽培を試みるも、気候が合わないようで、育ちませんでした。そこで、サフラン栽培のために竹田市への移住を決意。2014年1月の寒い吹雪の日に、長谷川さんたちは竹田市に移住しました。「なんて寒いところなんだ」。長谷川さんは思ったと話します。

農業を志す移住志望者は多いものの、実際に農業分野で移住するのは難しいのが現状です。長谷川さんは移住する前から、サフラン栽培を学びに竹田のサフラン農家さんを幾度も訪れ、地域の人々と交流していました。竹田への移住前に培った交流が実り、竹田に移住してからすぐに農業をはじめました。
 

長谷川さんのご自宅と事務所、畑を臨む。
八世屋」ホームページそのままの風景が広がっています。


 
サフランが収穫されるのは、竹田市で行われるお祭り「たけた竹灯籠 竹楽(ちくらく)」が行われる時期、11月です。長谷川さんは6万球の球根を栽培、1つの球根で最高で2〜3回ほど花が咲きます。薄紫色のすべてのサフランの花が散る前に、めしべを一つ一つ手作業で摘み、サフランは販売に至るのです。
 

 
 

 

お伺いしたタイミングは、ちょうど球根を畑から掘り上げる前日でした。
サフランの球根が畑に埋まっている状態を撮影することができました。


 
 

畑からサフランの球根を掘り上げたら、できるだけ陽が当たらない、風通しの良い室内に球根を並べ、秋に芽が出て花が咲くのを待ちます。


 
収穫したサフランを、長谷川さんはどのように販売しているのでしょうか?竹田市内の「道の駅」等では、サフランの花芯そのものを売っています。でもそれだと値段が高く感じ、使い方が分かりづらかったり、購入に結びつくことが難しい場合があります。そこで長谷川さんは、手に取りやすく、お土産として買ってもらえる”可愛い”商品を作ろうと独自開発、サフラン入りのハーブティーの販売をはじめました。
 

サフランの花芯。
竹田市で育つサフランの花芯は大きく高品質で、製薬会社が原料のひとつとして購入したりしています。


 
 

パッケージは、長谷川さんの知人の切り絵作家さんが描いた図案を使っています。


 
今の農業のあり方や課題について、長谷川さんは「販売価格を自分たちで決めて、自分たちで上げていきたい」と答えます。長谷川さんは、竹田市に移住する前は、宮崎県で野菜を栽培していました。旬が短い野菜栽培の場合、複数の農家が同じ時期に同じ野菜を集中して販売するため、売れ残ることも多くあります。知人の韓国人から教わったキムチづくりと販売をはじめたのも、「育てた野菜の単価を上げたい、顧客に提供できる期間を可能な限り長くしたい」という考えがあったのだそうです。サフランの場合、花から花芯をとってしまえば、店頭で展開できる期間は、野菜と比べると長いです。長谷川さんの場合は、花芯単体での販売以外にも、ハーブティーといった加工品を独自開発・販売するなどし、サフランの単価向上を図っています。

また、八世屋では、商品を「道の駅」をはじめとした竹田市内の店舗で販売するだけでなく、動画やホームページ(HP)でPRをしています。
夫の暢大さんは、2016年よりPR動画を毎年1本つくる、と決めています。八世屋がPR映像の制作をお願いしている映像作家は、竹田に移住前の居住地だった宮崎で出会った、大企業CMを手がける方です。「なんとしてでも実現したい」という熱い想いが、結果を生み出すのかもしれません。
 

 
「八世屋」のホームページ(HP)は”斬新”で、宝探しをしているようです。
 
「八世屋」ホームページ(HP) http://hasseya.com/

 
「分かりにくいホームページ(HP)」というアイディアを出したのは、映像制作時と同様、夫の暢大さんです。パッと見の「分かりにくさ」をクリアしてでも「八世屋」にアクセスする、モチベーションの高い顧客獲得を図ることは、クオリティを優先させ、「八世屋」のブランドイメージ向上につながります。

竹田市の高齢化率は現在45%を超え、高齢化が進んでいます。竹田市で100年あまり続くサフラン栽培ですが、サフラン農家においても同様、高齢化と後継者不在が課題です。サフラン栽培のために竹田市に移住し、商品開発等、積極的に活動する長谷川さん家族の存在は、地域にとっても活力となっていることでしょう。

長谷川さんが、竹田でサフラン栽培を始めて、今年で4年め。サフランの花芯だけではなく、ハーブティといった加工品の開発・販売も行い、順調に進んでいます。今後は、年に1〜2点ずつサフランの関連商品を増やしたり、現在サフランに加えて手づくりキムチも展開していることから、麹を用いた発酵食品での新商品開発を考えているそうです。また、PR動画も、毎年1本ずつ制作していきます。

ぜひ身体にやさしい「八世屋」の商品をお買い求めください。
 
 

プロフィール

 

 
「サフランを作るために一家5人、宮崎県から大分県竹田市に移住してきて4年めです。築160年の古民家に暮らしております。サフラン以外に季節の野菜や、無添加甘酒キムチも製造販売しております。夫が狩りも勉強中で、日々竹田の自然の恵をいただいて暮らしております。サフランをより多くの方に手にしていただけるよう、3年前よりサフラン入りハーブティの商品開発・販売をはじめ、今後もサフラン関連商品を開発していきたいと考えております。
国産サフラン商い処 女将 長谷川敦子」

【八世屋】

八世屋では、通信販売も行っています。
商品等のお問い合わせは・・・
電話:090-6430-8335(長谷川)
mail:saffron.atsuko@gmail.com
住所:大分県竹田市吉田1648

ホームページ:http://hasseya.com/

動画(2017年度)

動画(2016年度)

 
 
 
■写真撮影(撮影箇所)
阿部珠美(「八世屋」事務所および畑)、川嶋克(江副直樹さんとの対談)
 
 
 
※2017年度アドバイザー・江副直樹さんとの対談「竹田の食「マイスター」に聞いてみよう【第1回】たけたの食べ方を考える。トーク【平成29年度】(2018年2月5日開催)」をまとめたものです。
 

竹田の食「マイスター」に聞いてみよう【第1回】


 

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